またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

Mr.&Mrs.スミスとスミス夫妻

スミス夫妻 (トールケース) [DVD]

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見てきました。話題のふたり(ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリー)が出ている『Mr.&Mrs.スミス』。最初この映画のタイトルを聞いた時には、てっきり上の映画のリメイクかと思いました。41年製作の、ヒッチコックが作った唯一のサスペンス無しのラブ・コメ作品です。
キャロル・ロンバートロバート・モンゴメリー主演で、ストーリーは役所の手違いで結婚が無効だと知った夫妻が、浮気合戦で恋のさやあてをするというもの。大昔にビデオで見たきりなのでよくおぼえてませんが、結構笑えたのは確かです。

この時代には、スクリューボール・コメディというジャンルが花開き、多くの名作が誕生しました。プレストン・スタージェスフランク・キャプラ等の監督が有名でしょうか。あ、ハワード・ホークスを忘れてはいけません。ウィットの効いた会話に意表を突く展開。私の一番好きなジャンルです。

サスペンスの巨匠で名高いヒッチコックですが、彼のユーモア感覚は他の作品でも随所に散見します。ハリーと云う名の死体を埋めたり掘返したりする『ハリーの災難』はブラック・ユーモアの傑作(若いシャーリー・マクリーンが初々しい)ですし、『バルカン超特急』はイギリス人の自虐ユーモア炸裂で全編笑えます。

ところで新スミス夫妻の方ですが、練られた会話の数々や、夫婦が家の中で派手に殺し合うシチュエーション等は前作とそう遠くはないと思います。火薬を多く使ったラブ・コメという感じです。

ファースト・シーンは結婚5、6年目で倦怠期のスミス夫妻がカウンセリングを受けている場面から始まります。ふたりにはそれぞれ、ジョンとジェーンというという名前が付けられています。日本でいえば山田太郎山田花子という感じでしょうか?
Jhon:See,We've been married for five years. 「え〜と、僕達は結婚して5年になる」
Jane:Six. 「6年よ」
Jhon:Five,six years.    「5、6年」 
この後、FIVE or SIX YEARS AGOという文字がでて、ふたりが出会ったパナマ(?)に場面は切り替わります。恋に落ちて行くエピソードが語られて、FIVE or SIX YEARS LATERの文字とともに、現在に戻ります。この辺はベタですが、まあうまい展開といってもいいでしょう。

ふたりは実はお互いに重大な秘密をかかえていて、この後お互いに殺しあう羽目に陥ります。
最後の方で、小奇麗な家を滅茶苦茶に破壊してバトルするふたりが痛快です。銃をぶっ放して、“Still Alive ,Baby!"と不敵な笑いを浮かべるアンジェリーナ・ジョリーは最高です。

セリフは面白いしアクションも目一杯やっていて気持ちいいのですが、残念ながらそれだけだな〜というのが感想です。まあ見てる時は楽しいのですが.