またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

チャボロ・シュミットがわが町にやって来た!

Tchaboro Schmitt Japan tour 2008
ここ数年、ジプシー音楽に凝っている。
チャボロ・シュミットのバンドが、歩いて10分の杉並公会堂に来るというので、夕飯の買物に行く感覚でライブに行って来た。


チャボロ・シュミットはフランス生まれで、ギターの神様ジャンゴ・ラインハルトの正統な後継者と言われている。ギターのジャンゴ・ラインハルトとヴァイオリンのステファン・グラッペリが生み出したマヌーシュ・スウィングを、また表舞台に甦らせた立役者だ。今回一緒に来日したヴァイオリニスト、コステル・ニテスクと組んで、ジャンゴ&グラッペリへのオマージュといったところだろうか?


チャボロ・シュミットは、トニー・ガトリフ監督の映画『僕のスィング』で注目され、2003年に初来日している。ルーマニアのお騒せジプシー楽団タラフ・ドュ・ハイドュークスも一緒だった。
渋谷公会堂の前で開場を待っていた時、スタッフに付き添われて出て来たおやじに見覚えがあった。映画に出ていたあの人では?疑問はその夜の司会ピーター・バラカン氏が解いてくれた。開演前、突然チャボロが靴を買わなきゃ、と言い出したのだそうだ。なんで忙しい開演前に?綺麗な靴で舞台に出たかったのか?


仲間とのコンサートの模様。

右端のおやじがチャボロ。左の白髪まじりのオジさんが従兄弟のドラド・シュミット。ドラドはヴァイオリンも弾く。


前回見たときも何回も弦を切っていたチャボロ。今回静かに始まったコンサートで、内心いつ弦を切るかとハラハラして見ていた。
若いヴァイオリニスト、コステル・ニテスクが、チャボロと対等に活躍。ベースのクロディウス・デュポンも時々ソロをとり、華麗なテクニックを披露。ズン・チャ、ズン・チャのリズムを奏でる、縁の下の力持ちリズム・ギターのサニー・ドーサは、周りへの気配りが見事。彼がいなかったら、チャボロが引き立たない。
前半途中から、渡辺香津美がエレキ・ギターで参加。大好きなガーシュインの "Not But For Me" を演ってくれた。
お約束どおり、おやじさんは前半の最後の曲で弦を切り、ステージから雲隠れ。主役が戻ること無く前半のステージは終了。

後半は、ピアノのクリヤ・マコトがゲストで参加。「枯葉」をヴァイオリンのコステルとのデュオで演奏。興が乗ってくると椅子から立上がる。


彼らのマヌーシュ・スウィングは、ジプシー音楽にルーツはあるが、他のジプシー・バンドと比べて、洗練されている。同じくギターが主流のフラメンコより都会的だ。演奏を聴いていると、ジャズの要素が強く、インプロヴィゼーションも多くみられる。
チャボロの弦を何本も切ってしまうような迫力の演奏や、彼のキャラクターにはジプシーを感じるのだが。


後半またもや弦を切ったものの、その場で張り直し会場の笑いを誘うチャボロでした。
しゃべれないくせに、マイクを握りたがるチャボロ、たぶんフランス語でモゴモゴ言っていたが、さっぱり分からない。フランス語が出来る人には伝わったのだろうか?


素晴らしい演奏で魅了した、ヴァイオリンのコステル・ニテスクが、ホーム・パーティでチャボロたちとセッションをしている動画があったので紹介。

 ギターの弦の上を走るチャボロの指は、自由に羽ばたく鳥のようだ トニーガトリフ

チャボロ・シュミットの最新アルバム『セブン・ジプシー・ナイツ』

セブン・ジプシー・ナイツ

セブン・ジプシー・ナイツ

おかわり:同じコンサートの楽しい体験記はこちら →「うっぴっぴ」