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またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

台湾のエドワード・ヤン監督若くして亡くなる


ホウ・シャオシェン監督と共に台湾映画を牽引してきたエドワード・ヤン監督が59歳の若さで亡くなりました。もう彼の作品は見られなくなるわけで、本当に残念です。
同世代のホウ・シャオシェン監督と比べても寡作で、日本未公作品を含めて7作のみです。ホウ監督の『冬冬の夏休み』(1984)には俳優として出演しているようです。見直してみなくては。
私が一番好きな作品は、初期の傑作『クーリンチェ少年殺人事件』(1991)です。長回しのカメラワークと共に、思春期の少年、少女の不安定な心理を見事に描いています。この映画でデビューしたチャン・チェンは、たくましく成長してウォン・カーワイ監督の『ブエノス・アイレス』でさわやかな印象を残し、ホウ監督の『百年恋歌』(2005)では素晴らしい存在感を示しています。
画像は、『ヤンヤン 夏の思い出』(2000)のトレーラーです。本当はもっと鮮明なのですが、印象的でみずみずしい映像に魅了されます。視聴覚教室で雷雲の画をバックに浮び上がる少女のシルエットは、それを見つめる少年の淡い恋心をも写した見事なショットです。
家族それぞれのエピソードは、次々と他の家族のエピソードとオーバーラップしながら進んでいきます。父が昔の恋愛を語っていると、いつのまにか画像は息子の初恋へとシンクロしていきます。巧みな編集です。
英語で話されるイッセー尾形の「何故人は新しい事を恐れるのか?」という話は、一聴の価値があります。画像は高速道路から見た夜の東京へとオーバーラップしていきます。見覚えはあるのに、不思議な感覚です。熱海でもロケをしていて、私は『東京物語』を思い出しました。家族がテーマで、母親が亡くなるところまで一緒です。考え過ぎでしょうか。

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