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またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

闇に葬られる女たち―『ボーダータウン 報道されない殺人者』

Bordertown/グレゴリー・ナヴァ監督/2006/アメリカ
アメリカとメキシコの国境地帯が無法地帯なのは知っていたし、これまでも数々の映画が描いて来た。
しかし、この『ボーダータウン』という映画の衝撃は、群を抜いて凄まじい。
のどかなオアハカから想像も出来ない出来事が、あの忌わしい土地で起っている。
友人が住んでいる、かわいいオアハカという町を知り、メキシコに親近感を抱いている私にとっては、大変なショックだ。
15年間で3000人ともいわれる女工が殺され、しかも報道されていない。
背後には、アメリカ資本の多国籍企業の利益を守るため、アメリカ、メキシコ両政府が事件を揉み消している。
こんな大量殺戮を、何故メディアはちゃんと報道してこなかったのか?多くの人が映画化されて初めて事実を知る、という異常事態に慄然とする。

この映画はドキュメンタリーではないが、国境の荒涼とした砂漠で起った大量殺人を丹念に取材し、ドラマ化している。
監督のグレゴリー・ナヴァ監督は映画でこの事件を告発しようとし、集客力のある女優ジェニファー・ロペスに声を掛けた。ジェニファー・ロペスは実際に犠牲になった女性たちの母親たちから話を聞き、この映画の制作者に名を連ねた。反政府新聞を発行するディアス役にアントニオ・バンデラスを誘ったのも彼女である。
この事件を広く知らせた功績が評価されて、アムネスティよりジェニファー・ロペスアムネスティ人権賞を贈られた。またアムネスティ・インターナショナルは、「事件解決・再発防止のためメキシコ大統領に手紙を」運動を呼びかけている。 →アムネスティ・インターナショナル日本