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またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

『アフタースクール』

After-school/内田けんじ監督/2007/日本

今年は日本映画を見るぞと思っていたが、もう半年が過ぎようとしているのに、まだ2作目である。
前作『運命じゃない人』が好評だった、内田けんじ監督の新作『アフタースクール』を見た。前作は見てない。はじめての内田けんじ作品は新鮮だった。楽しめた。でもこれってTVでもいいかな?っていう感じが正直した。たぶんすごく巧いテーブル・マジックを見せられたという感じかな。でも『運命じゃない人』がすごく見たい。
新宿歌舞伎町の映画館は若い人でまあまあ埋まっていた。映画を見ていたら、すぐそこの広場を佐々木蔵之介が歩いてきたので驚いた。彼の経営するおもちゃやさんが歌舞伎町という設定だからだ。ボーリング場は隣のビルにあるミラノボウルらしい
(まだ未見の人はこの先読まないで)
この映画は観客をだましまくる。二転三転どころではなく、次々と思惑を外される。最後の最後まで展開は読めない。登場人物の相関関係もころころ変わる。良い奴なんだか、悪い奴なんだか分からなくなってくる。強引にラストまでもっていっているが、後で考えてみると、緻密に組んだプロットに腑に落ちないところもある。
中心となる男優3人がいい。特に大泉洋の存在で笑いの要素がふくらんだ。今回一番美味しい役である。
堺雅人の微笑みは、天使になったり、悪魔になったり、謎に包まれた役を飄々と演じている。
佐々木蔵之介は、大人のおもちゃ屋店長と裏社会の探偵を演じているのだが、チンピラにしてはハンサム過ぎるし、こういう世界にいる人の危険な感じがしないのが難点。
脇役、端役の役者さんたちがすごくいい。キャラクターとシチュエーションで結構クスクス笑えた。
この作品の最大の魅力は、複雑に構成したプロットにある。どこに行くか分からないストーリー展開に、小気味良いテンポ。コメディには重要な要素だ。内田監督は確かに才能を感じさせる。
ただ、見終わって物足りなさを感じるのは、中身の無さだろう。やくざが出てくるがそれほどリアリティは無い。一流企業の腐敗を暴きたいわけではない。友情と少しばかりの恋愛を描いてはいるが。
母校の先生役の大泉洋が教室でやくざの佐々木蔵之介に言う台詞が、秋葉原事件の直後だっただけに胸に沁みた。
どこのクラスにもひとりやふたりお前のような奴が居る、「お前がつまんないのは、お前のせいだ。」