またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

至福の2時間―アンドレア・ボチェッリの歌声に酔う

アンドレア・ボチェッリを聴きに、雨の中有楽町まで行って来た。一番安い席をプレリザーブで獲ったのだが、最後列だった。真ん中だったのがせめてもの慰め。おまけに双眼鏡まで忘れた。見に来たのでなく、聴きに来たのだと自分に言聞かす。それにしても、空席がひとつもない。彼の人気の程がうかがえる。
何故か20分待たされた。曲目リスト(英語&イタリア語)を碓認し、本を読みながら待つ。

イタリア、トスカーナ生まれのテノール歌手アンドレア・ボチェッリは、少年の頃サッカーボールが頭にあたり、失明したそうだ。親の希望で法律の道に進んだが、音楽への思い断ちがたく、途中から歌い出した。パヴァロッティに才能を見出され、去年の葬儀では追悼の歌を捧げた。曲はモーツアルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス。マイ・フェイヴァリット・ソングである。
ある日の昼下がり、ラジオから流れて来たアンドレア・ボチェッリの歌声の虜になった。CDも買った。でもまだまだ甘かった。
今日生の声を耳にしたら、想像を遥かに超えていた。素晴らしかった。1万5千円は安かった。

ヴェルディの『トルヴァトーレ』から「あの火刑台の恐ろしい炎が」(バックはニュー・ヨークですね)
前半はオペラのアリア集。ソプラノのMaria Luigia Borsi(ジャンニ・スキッキの「私のお父さん」が良かった)とバリトンのGianfranco Montresorが共演。ハーモニーがホール中に響き渡る。
後半はカンツォーネとポピュラー曲。ゲストにHeather Hedlry(ソウルフルな歌声)

「大いなる世界」きれいな曲なので。
ロンドンのロイヤル・アルバートホール。客席にエリザベス・テイラーマイケル・ジャクソンが!

何回もアンコールに応えてくれた。「メロドラマ」「プレイヤー」と続き、「君と旅立とう(Time to Say Goodbuy)」で、いよいよ終わりだと思いきや、またステージに現れて「誰も寝てはならぬ」を歌い出した。ここで、感極まって涙が浮かんだ。説明できないうれしさで一杯になった。アンドレア、また来てね。