またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

自分探しに旅立った孤高の男:NAKATA

今日、仕事から戻ってすぐ、TVで中田引退のニュースを知らされました。ショックです。言葉もありません。恋人から別れを告げられた時の様な気分です。

nakata

あのブラジル戦敗退の直後、ひとりピッチに倒れ込んで天を仰いでいた中田の姿に、胸を打たれました。チームメートはひとりとして駆け寄らず、慰めに来たのはアドレアーノとスタッフと思われるスーツ姿の男性のみ。あの時はよっぽど悔しかったんだろうなと思っていましたが、最後の試合と決めていたんですね。そう思うと感慨もひとしおです。写真はやっと立ち上がって、サポーターに挨拶する中田ですが、いい表情をしていますよね。

日本のサッカーは、この10年中田と共に成長して来たといえます。アトランタのオリンピックでブラジルを破った「マイアミの奇跡」を起こし、フランスワールドカップ出場を決めた「ジョホーバルの歓喜」では勝利の原動力となり、日韓ワールドカップでは司令塔としてチームを引っぱり、決勝トーナメントに進みました。
ホームだった前回と違い、今回は本当の意味の実力が問われる大会でした。ドイツで日本のサッカーは、いやという程世界との差を知らされる結果となりました。(はやくもメディアは「ドルトムントの屈辱」と名付けています。)チーム全体が中田と同じ様な熱意を持ってすれば、勝てる試合もあったはずと思います。でも中田の言葉はチームメイトには伝わらず、孤立していたといいます。中田中心にチーム一丸となった試合が出来なかったことに敗因があると思います。
3回のW杯全試合に出場したのは、中田ひとりだそうです。まさに日本代表といえば、中田だったわけです。中田のいない代表なんて想像できません。

サッカーのピッチにいる中田の姿は、俯瞰で撮った映像からもすぐ見分ける事ができました。ピンと伸びた背筋、ボールを持った時の独特の走り方。あの美しい姿をもう見る事がないと思うと、寂しくて仕方ありません。ジダンだって、フィーゴだってまだあんなに活躍しているのに..。
日本代表監督にほぼ決まったオシムの「走りながら考えるッサッカー」に中田程マッチする選手はいないのに、返す返すも残念です。

これから、中田はどんな旅に踏み出そうとしているのでしょうか?プロ選手は引退するけれど、ボールを蹴る事は止めないといっていた中田。彼なら何をやっても成功するでしょうが、サッカー関連の仕事をやって欲しいとは思います。
もう、ため息しかでない自分に呆れています。ワールドカップはまだ終わってません。後、4試合をせいぜい楽しまねば。4年に一回ですからね。