またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

「戦場のガールズライフ」


  桜の樹の下には屍体が埋まっている
と書いたのは、『檸檬』の梶井基次郎だった。

屍体の養分を吸って咲き誇る桜の花と、地下に埋まっている腐っていく屍体。


そういえば、岡崎京子の『リバーズ・エッジ』にも河原に死体を見に行く印象的な場面がある。

先週、世田谷文学館で開かれている岡崎京子の展覧会へ行った。

私と岡崎さんは5歳違いだから、彼女が活躍していたバブル全盛の頃のことはよく憶えている。
表紙の絵に惹かれてたまたま手に取った『PINK』で岡崎京子ファンになった。

pink (MAG COMICS)

pink (MAG COMICS)

今回久しぶりに本棚から取り出して再読したが、今でも古くないし、面白い。

女の子の生活と本音を、包み隠さず、肯定的に、ある意味あからさまに描いた。


交通事故のためにここ20年あまり作品を発表できない状況だが、岡崎京子は忘れられてはいない。
会場には、ガールズばかりでなく、ボーイズも沢山集まっていた。

いつもは高価なので敬遠するカタログも買った。2300円(税別)。

この中から、印象的な言葉を抜粋。

この世では
何でも起こりうる
何でも起こりうるんだわ
きっと

どんな
ひどいことも
どんな
美しいことも          『PINK』

最近よく思うことは すべてはばらばらでありつつ
同時にすべてがつながっているということ。そしてそのことに
すこやかに対処するのは とてもむつかしいということだ。   『森』


最後に現在の岡崎さんからのメッセージ。

ありがとう、みんな。

岡崎京子