またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

今週のお題「ふるさと・夏」花火と爆弾


今年の終戦(敗戦)の日の東京は晴れだった。蝉が短い命を惜しむかのように鳴き競っていた。
69年前も蝉が鳴く暑い日だったのだろうか?


夏の風物詩といえば打ち上げ花火だが、毎年、全国あちこちで夜空に大輪の花を咲かせている。
私の故郷新潟の長岡では、毎年8月の2日と3日に花火を打ち上げる。
三尺玉というドデカイ花火で全国的に有名だが、多くの花火大会のように週末ではなく、2日と3日に決まっている。観光ではなく慰霊の花火だからだ。


1945年8月1日の夜、大編成のB29爆撃機が長岡の街に焼夷弾を落としていった。資料によると、同じ日に富山、水戸、八王子も空爆されている。被害は富山と長岡が深刻で、それぞれ2149人、1457人の死者を出した。ちなみに長岡は戊辰戦争と第二次大戦で2回焼かれ、中越地震の被害にも遭った。

当時、米軍は日本中の市街地に焼夷弾を大量に落としていった。広島、長崎の原爆の後も。
これらの資料は「Japan Air Raids.org/日本空襲デジタルアーカイブ」 というウェブサイトから引用させていただいた。(クリック!)
実はこちらのページは、日本空襲に興味を持った2人のアメリカ人と1人の日本人が開いたものだ。
詳細な資料収集と内容の充実振りには頭が下がる。


2年前大林宣彦監督が、我が故郷長岡の花火を題材に映画を作った。
『この空の花 長岡花火物語』だ。(最近レンタル開始されたので未見の人は是非借りてね)


大林ワールドに慣れてない人は最初面食らうかもしれないが、平和の象徴の花火と恐ろしい爆弾を見事にストーリーに融合させた傑作だと思う。
長岡の花火を描いた裸の大将、山下清画伯の言葉がこの映画の世界を一言で捉えている。
「世界中の爆弾が花火に変わったら、きっとこの世から戦争はなくなる」