またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

円丈ゲノム 円丈の系譜?

毎日新聞落語会 渋谷に福来たる SPECIAL 2014 ~二人会フェステバル的な〜」という長ったらしい題の落語会に行って来た。3月一日土曜日、渋谷区文化総合センター大和田 サクラホールという、これまたくどいホール名の会場で、「円丈ゲノムVer.3」
いって、要は新作落語の会である。
新作落語の大家、三遊亭円丈(えんじょうで変換すると炎上にどうしてもなってしまう。どうにかならないか)を囲んで、もはや若手とは言えない柳家喬太郎春風亭昇太の3人が新作を披露するというわけだ。
ゲノムというのはコイルの形状をした遺伝子だったと思うが、落語に先立つ「おしゃべり」で、ふたりが如何に円丈師匠の影響を受けて来たかを語り合う。といっても、ふたりの足の引っ張り合いが観客を大いに湧かせる。奇しくも、ふたりが大学の落研時代に作った新作落語の話題に。途中でラフな私服姿の円丈師匠が登場し、今ハマっているというドラクエの話をひとりでしまくってふたりを煙に巻いて去っていった。

喬太郎の「青春日記 横浜編」はまさに大学時代に作った噺をアレンジしたもの。デートコースがいちいち細かくて笑える。東京近辺に住んでいる我々は誰でも一度は横浜でデートしたはず。昔のホロ苦い思い出を重ねてしまう。

昇太の「空に願いを」は、雨乞いを生業として来た一家の息子降太(フリーターというあだなをつけられている)が、家業のおかげでいじめに打つかつというお話。

トリの円丈の「夢一夜」は、白内障の手術を受けたという病気話のマクラから、末期がんの患者がどうしても畳の上で死にたいと、病院を抜け出し、羽田空港の予約カウンターの側にプレハブの小屋を作って、芸者をあげてどんちゃん騒ぎをして死ぬ、という噺。いつの間にか円丈の語りの世界につり込まれ、見事な落ちに感心した。

さすがの喬太郎、昇太の人気者も円丈の凄さに霞んで見えた。とは言い過ぎか?