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またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

愛を探求し、国家にもの申す映画監督大島渚死す

大島渚監督が亡くなった。
闘病が長かったせいで驚きはないが、改めて日本映画界にとっては偉大であり、特異な映画監督だったと、つくづく思う。
大島監督は、黒澤、溝口、小津といった日本映画黄金期の監督より後の世代で、巨匠たちとはまったく違う映画に挑んだ。
吉田喜重篠田正浩監督らとともに松竹ヌーベルヴァーグの旗手として1959年に『愛と希望の街』でデビューした。

私は大島監督の熱心なファンでは無かったので、映画館で観たのは『戦場のメリークリスマス』(83)くらいだ。
ただ『愛のコリーダ』(76)はアメリカから無修正のビデオを買ってきた人がいて、作品を損ねること無く観ることが出来た。素晴らしい映画だった。男女の性愛の深淵に鋭く切り込んだ意欲作だ。阿部貞さんを愛情を持って描いていて、むしろ可愛い人に思えた。毒婦と呼ばれた彼女への偏見は無くなった。

愛のコリーダ ~IN THE REALM OF THE SENSES~ (Blu-ray) (PS3再生・日本語音声可) (北米版)

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大島監督といえば大声で怒鳴る人というイメージがあるが、国家や社会の問題に対して臆すること無く発言していた。
映画『絞首刑』(68)は、日本の死刑制度に疑問を投げかけている。ツタヤにあったら借りてこよう。

これは映画ではないが、テレビのドキュメンタリー『忘れられた皇軍』も忘れてはいけない。
日本兵として戦ったのに、戦後韓国籍ゆえに何の補償もされない傷痍軍人たちの姿を追った作品。
テレビで是非放送して欲しい。