またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

家族って何なんだろう?『親父がくれた秘密〜下荒井5兄弟の帰還〜』

大泉洋という役者は、人を引きつける何かがある。
大泉洋阿部サダヲが出ている作品は、面白いに違いないと思ってしまう。
そんな大泉洋が原作のドラマ『親父がくれた秘密〜下荒井5兄弟の帰還〜』を見た。大泉君もカメオ出演している。
HPはコチラ→テレビ東京『親父がくれた秘密〜下荒井5兄弟の帰還〜』

父親の十三回忌に久しぶりに帰郷し、集まった下荒井家の兄弟5人。順風満帆な者はひとりも居ない。
それぞれ問題を抱えて実家へ帰って来る。
家業を継いだ長男大造(ユースケ・サンタマリア)は、結婚もせず、傾きかけた瓦屋の仕事を文句もいわず黙々とこなしている。次男大洋(小澤征悦)は、過去に事件を起こし長年音信不通だ。三男剛介(大森南朋)は、映画プロデューサーだがヒット作に恵まれず倒産の危機にある。四男健二(高良健吾)はニートで長男の厄介になっている。五男修(永山絢斗)は、東京で保険会社で働くが、恋人の父親に結婚を断られている。


海辺の町木更津を舞台に設定。実家の瓦屋のまわりはのどかな田舎町で、草が生い茂った道も、瓦屋のたたずまいもいい。「下荒井瓦店(有)」という看板や、ガラス戸の文字がいい。健二の居場所、懐かしい物干し台もある。
思い出の中や、剛介の幻影で登場する父(橋爪功)の姿が、違和感無く瓦屋店の店先に溶け込んでいる。


男兄弟が5人も集まれば一悶着あるに決まっている。会社を立て直したい剛介は、兄に借金をなかなか言い出せない。元女優の妻が自慢の剛介だが、仕事の電話で四六時中携帯が手放せない。娘はそんな父を嫌っていて口もきかない。
そんな時、家族の厄介者大洋が突然現れる。大洋は、出所した時に家を抵当に大金を兄から借りている。
案の定起こった兄弟喧嘩のさなか、末っ子の修がぶちまける。実は結婚を恋人の父親から断られたのは兄たちが原因だと。


一度巣立った家族が帰郷して一堂に会する物語は、定番のひとつで名作が多い。
誰もが家族の行事などで、実家に集まって数日一緒に過ごす。そこで繰り広げられるドラマは、何故かよく似ている。どこの家族にも厄介者がいて、いさかいが起こる時もある。でも、幼い時に同じ母親のご飯食べた思い出がある。心の底では切っても切れない絆で結ばれているのだ。
誰もが共感し、懐かしく思うだろう。


大泉洋の劇団の芝居『スプリング・ハズ・カム』は見ていないが、彼がこんなに多才だとは思わなかった。脚本の山咲藍もよく書けている。原作とかなり変えていると大泉が言っている。
演出の深川栄洋は主に映画を手がける監督だ。映画館で見ても見劣りしない作品だと思う。
剛介に自身を重ね合わせているのだろうか。剛介の唯一のヒット作『60歳のラブレター』は、監督自身のヒット作だ。劇中何度も、「『60歳のラブレター』は良かったけど、後は何があるの?」と言わせて、自身を笑っている。


ついでながら、going home の名作を少し紹介。

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