またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

談春落語 in お盆

先週、13日の金曜日は東京はお盆の入りだった。でも、私たち地方出身の者はピンと来ない。
その上仏滅も重なった日、東京の西にある小平で談春の独演会に行ってきた。談春は初めてだ。
立川談春といえば、古典落語の名手、談志の愛弟子で、チケットが取れないことで有名である。
ところが、

本人も言っているように、伝説のようだ。ただ見回したところ、空席はほぼ無かった。会場も年齢層は高いものの、人気の程がうかがえた。

ところが、近いと踏んでいた小平が思いの外遠く、10分程遅れてしまった。
弟子が前座をつとめているはずと思ったら、本人が高座に居てもうすでに噺が始まっていた。先に来ていた友人の話によると、師匠談志のネタと大津市の虐め事件のことを怒っていたそうな。やはり遅刻はいけない。

今回の演目は、「南瓜屋」「おしくら」「人情八百屋」だった。
「南瓜屋」はカボチャ売りの馬鹿さ加減がひたすら可笑しい。
「おしくら」は三人衆が宿屋で女を買う噺だが、この宿が凄い。最初の女将さんの口上が何を言っているんだか分からない。次に出て来る女中も早口で与太郎たちを煙にまく。貧乏くじを引いた男が、年増だが色っぽい元芸者と言われて部屋へ行くと、枕に薬缶がのっていた。つまり髪もない大年増だったという。もちろん滑稽話だが、少し怪談めいた怖さも。
中入後、マクラも無くいきなり話し始めた「人情八百屋」。笑うのも忘れてじっと聞き入ってしまった。師匠談志の持ちネタらしい。観客は談春を聴きながら、談志を重ねて見ていたのだろう。
三つの噺をそれぞれ全く違う調子で聴かせてくれた。落語通とは程遠い私だが、談春の芸に堪能した一夜だった。