またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

横浜、鎌倉そして葉山 そのさん

先月の旅行のパート3。

鎌倉から電車に乗って逗子駅へ。そこからまたバスに揺られて海へ向かった。
目的は神奈川県立美術館葉山でベン・シャーンの展覧会を見ること。
神奈川県立美術館葉山は素晴らしいロケーションにあった。
湘南の海はいつ見ても美しい。特に海に沈む夕陽は値千金だ。
いつかここに住みたいとも思う。
最後の写真は落日を撮ろうとして、カメラを捜しているうちに日が沈んでしまった。でも富士山が写っているのが判るかな。


ベン・シャーン展だが、私がその昔彼の作品に注目したのは彼が写した写真からだった。
Ben Shahn ベン・シャーン(1898-1969)は、リトアニアのユダヤ人家庭に生まれ、8歳で家族とともにアメリカに渡った。ニューヨークのブルックリンで育った。
貧しかったため、石版画工房で徒弟として働きながら夜間中学に通った。
シャーンの写真の対象は、市井の貧しい人々だ。大恐慌によって荒廃した農村部をまわってたくさんの写真を撮った。どれもがそういった人々の傍らに寄り添う写真だ。上手くはないが、心に来る。
シャーンは写真をもとに絵を描いた。

実はここ最近ベン・シャーンのことを思うことがあった。
20年前に新宿伊勢丹ベン・シャーン展を見にいってはいたが、それほど話題になる画家ではなかったし。
福島の原発事故で放射能危機が身近に迫った時、第五福竜丸のことを思い出した。
シャーンは、1954年のビキニ環礁での第五福竜丸の被爆事件にショックを受け「ラッキードラゴン」シリーズを制作している。
これはシャーンの絵をもとに、アーサー・ビナード氏が作った絵本。

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

社会派アーティストとしてのイメージが強いが、展覧会ではグラフィック・アーティストとしての優れた一面や、日本滞在時の写真等多くの作品が見られる。

展覧会は葉山はとっくに終了しているが、現在は名古屋に行っている。
2月11日−3月25日 名古屋市美術館
4月8日−5月20日  岡山県立美術館
6月3日−7月16日  福島県立美術館

芸術新潮 2012年 01月号 [雑誌]

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