またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

横浜、鎌倉そして葉山 そのに

2週間前に行った旅行の記事の続きである。
2日目は北鎌倉の建長寺に行って龍の天井画を見て、神奈川県立美術館葉山でベン・シャーン展を見てきた。
あいにくの雨の中、JRの北鎌倉駅に降り立った。
この駅は、ヴィム・ベンダースが小津安二郎にオマージュを捧げた映画『東京画』にも登場する。

本当に間抜けな話だが、この映画に出て来る小津監督のお墓の場所を調べてなかった。
「無」と書かれた墓標をそのうち見に行こうと思っていたのに。
帰って来てからネットで調べたら、何のことは無い円覚寺だった。
円覚寺に寄ったのは駅のすぐ側だったからだ。
実は鎌倉に来たのは30年振りだった。大学卒業の年、横浜の友人が鎌倉を案内してくれたのだ。その時に大仏や鶴岡八幡宮など有名どころを1日で手際よく廻ってくれた。

この堂々たる山門には憶えがあった。この門が好きだったのだ。
写真の女性たちはたまたま居合わせただけで、知り合いではない。

この鐘は急な階段を登った丘の上にあった。かなり古いらしく、綱で固定されていた。後で調べたら国宝とのこと。
見晴らしの良い高台で、トンビが輪を描いているのを眺めていたら、遠くの方に富士山の頂がうっすら見えた。写真を撮ったがボヤけて写っていたのでここには載せない。

円覚寺から足をのばして、建長寺へ行った。
またまた故人の話で申し訳ないが、昨年末に亡くなった画家小泉淳作氏の龍の天井画が見事だと、友人に聞いたのだ。
こちらは建長寺の山門

建長寺の鐘である。
またまた抜かっていた話だが、子規の句「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」は、漱石の句「鐘つけば 銀杏散るなり 建長寺」の返句だというのは有名な話。
建長寺は鎌倉だというのだから、漱石が詠んだ鐘というのは、たぶんこの茅葺きの鐘だと思われる。これも戻ってから気が付いた。

小泉淳作画伯の龍の天井画。見事だった。友人に教えてもらうまで、小泉さんのことは知らなかった。訃報が新聞に載ったのは知っていたが、こんな上手い方だったとは。
京都建仁寺にも龍の天井画を描き、東大寺の襖絵も描いておられる。

画像検索すると、画伯は猫の絵も描いている。ますます気に入った。
ところで、この龍の顔、頭を逆から見ると猫に見えないか?

こちらは円覚寺の龍。少し剥がれて来ている。監修が前田青邨、守屋多々志氏が描いたもの。

北鎌倉駅の昼下がり、男子高校生の団体が電車を待っている。

またまた、つづく。