またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ

今日は広島に原爆が落とされた日であり、明日は復興途中にある仙台で七夕祭りが開かれる。
テレビは例年通り66年前のあの日を振り返る番組を放映しているが、いつもと違うのは福島の原発事故と関連づける報道がみられることだ。


放射能に一番敏感なはずの被爆者の中で、核の平和利用を積極的に推進した動きがあったことを今回初めて知った。
昭和31年に広島で原子力平和利用博覧会が開かれ、なんと原爆資料館の陳列品を撤去して、そこを会場にしたそうだ。耳を疑うような話だが、当時は原子力発電はバラ色に見えたのだ。


広島といえば、世界のどこかで核実験が行われる度に平和公園で座り込みの抗議をしていたおじいさんがいた。原水爆禁止運動の象徴だった森滝市郎さんだ。
「核と人類は共存しない」とは森滝さんの言葉だ。福島の事故でやっとそのことに気付いた人は多いはず。


今は牛肉の放射能で大騒ぎしているが、いったいどのくらいまでなら安全なのかが分からない。先月の27日国会で東大の児玉教授が放射能被ばくについて熱い提言をした。

一時毎日のように耳にしていた「直ちに健康に害はありません」と枝野官房長官が言っていたが、内部被ばくの健康への影響は、はっきりと解明されてない。
原爆の被害者の医療データが貴重な資料になっているそうだ。


先日放映されたNHKの番組で、アメリカが亡くなった被爆者を多数解剖し、遺体を国に持ち帰っていたとのこと。バラバラになった研究遺体はその後日本に返された。驚いたのは、解剖に協力したある少女の甥にあたる人が遺体を見に行ったところ、見せられたのは数センチ四方の薄っぺらい細胞片だった。「これが叔母さんですか」という甥御さんの言葉に、なにかのブラックジョークかと悲しくなった。


「歴史は繰り返す」というが、放射能被爆は繰り返して欲しくなかった。