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またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

立川キウイって何者?

台風の影響で何やら不穏な空気が漂う19日、「立川キウイの真打昇進の会」という落語会に行って来た。中野ゼロ小ホールは、ほぼ満席の入り。


正直のところ、立川キウイという変わった名前の落語家は全然知らなかった。立川志の輔の噺が聴きたくてチケットをとったのである。
師匠の談志が来ればもうけものと思っていたが、案の定、台風のせいで「どうも体が定まらない」というので欠席。5月の真打ち披露パーティの時は、ビン・ラディンが死んだため喪に服すとかで来なかったそうだ。


立川キウイ立川談志の直弟子で、前座16年!2つ目4年の20年目にしてやっと真打ちになったという人である。そのうち破門3回、師匠とのエピソードには事欠かないのだろう。その体験を『万年前座』という本に書いて、その本を読んだ談志が真打ちを許したという、真偽の程は分からない話がある。ロビーで売られていた本は早々完売した。物好きがいるものだ。

万年前座僕と師匠・談志の16年

万年前座僕と師匠・談志の16年


折しもなでしこジャパンが世界一を決めて、日本中が沸き返っていた日である。「不屈の精神」「最後まで諦めない」と、前座苦節16年を揶揄するお祝い?の言葉が、兄弟子志の輔、客演昇太から贈られる。


ところで、この日の演目である。
  十徳 こはる / 親の顔 志の輔 / 人生が二度あれば 昇太
  〜仲入り〜
  口上/ 読書日記 左談次 / 芝七 キウイ


こはるは女子ながら兄弟子談春の弟子で、キウイは何故かライバル視している。噺の腕前は残念ながらこはるが上手い。


念願だった志の輔落語。やはり噺がよく出来ている。上手いし面白い。


昇太はいつも座布団に固執する。飛び跳ねるので座布団の具合が大切なのか。座布団の破れを指摘し、口上の時の座布団が何故か楽屋の薄っぺらい奴だと暴露する。同期の志の輔に比べ自分の薄っぺらさを自嘲するが、みんなから「次期談志」と持ち上げられる。落語芸術協会理事なんですけどね。それにしても軽い。


口上というのは初めてだったが、面白かった。取り仕切る立川流重鎮左談次が、キウイが汗を拭いたの何のと、隣のキウイをしきりに扇子で叩く。いじられキャラのキウイと左談次のSが相まって見物だった。後の二人がのほほんとしていたので、余計に可笑しかった。


左団次は林家こぶ平、今の正藏の著書『通になりたい』の感想を語ったのだが、最後は本を床に叩き付け、ああ談志の弟子だなあと納得。


トリは真打ちキウイの登場。枕の談志とのエピソードは面白かったが、なかなか本題に入らない。しまいには、「帰るなら今ですよ」と言い出す始末。その訳は噺が始まって分かった。まあ帰る人がいても不思議ではない。でも帰った人はいなかった。古典の名作「芝浜」と「文七元結」を合せて、談志を登場させるという、非常に凝った構成。アイデアはいいと思うが、冗長でだれてしまう。肝心の談志が生きていない。もっと修行が必要?
 

諦めないキウイさんの将来はどうなのだろうか?左団次の言うように何時か化ける日が来るのだろうか。