報道写真を見に行った。
土曜日、久々に恵比寿の東京都写真美術館へ写真展を見に行った。
「ジョセフ・クーデルカ プラハ 1968(Invasion Prague 68/Josef Koudelka)」と「世界報道写真展2011」。
前者は1968年8月、ワルシャワ条約機構軍がプラハの街に侵攻した動乱の様子を写した貴重な写真群。後者は鼻を削ぎ落とされたアフガニスタンの女性の写真が大賞を穫った、2010年の報道写真展。
チェコの「プラハの春」を終焉させたチェコ事件は、日本に住む私にとって遠い歴史の1ページとしての認識だった。
でも、東北を襲った大震災と津波、そして原発事故と、平和な日常に突如襲って来る不条理な暴力。むろん暴力の質は異なるが、生きていれば安泰な生活を脅かされる日が突然やって来るということを学んだ。そういう意味で1968年のプラハと現在の日本は繋がっている。
ポスターの写真の人がいなくなったヴァーツラフ広場の通りと、福島の放射能汚染で人がいなくなった道が、重なり合って見える。
報道写真展では、地震後のハイチで人形のように死体を放り投げる男性の写真があった、腐乱した死体が折り重なっている。以前ならハイチは貧しいからと憐れんだだけかもしれない。しかし今回夥しい死体に茫然としたのは私たち自身だった。
地球はひとつ、世界は繋がっている。時間も途切れることなく、人間たちは愚かな行為を繰り返している。
ジョセフ・クーデルカの写真展は今月18日まで。報道写真展は8月7日まで開催。
チェコ事件が重要なモチーフになっている映画『存在の耐えきれない軽さ』。傑作です。
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