Au Revoir また来てね!パトリシア
Patricia Petibon Opera Aria Concert 10/31 東京オペラシティ コンサートホール
- アーティスト: プティボン(パトリシア),ハイドン,グルック,モーツァルト,ハーディング(ダニエル),コンチェルト・ケルン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2008/10/22
- メディア: CD
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楽しみにしていたパトリシア・プティボンのコンサートに行ってきました。
思ったとおりパトリシアの声は私好みで素晴らしく、楽しいコンサートだったのですが、少し心残りのがありました。
チケット代をケチって3階の左ステージ上を選んだのが間違いでした。オーケストラのみなさんはよく見えるのですが、肝心のパトリシアを後方上方から見るはめに。彼女の表情がまるで分からないのです。これでは楽しみも半減します。
それから、土曜日はデイヴィッド・レヴィ指揮の東京フィルハーモニー交響楽団との競演だったのですが、3分の一ほどはオーケストラのみの曲目でした。東京フィルの演奏はもちろんよかったし、スキン・ヘッドのレヴィ氏もチャーミングだったのですが、正直パトリシアの歌声をもっと聴きたかったのです。他の日はスーザン・マノフのピアノとの競演で、プログラムを見るとピアノ・ソロは2曲ほど..。お気に入りのNHKで放映したコンサートもピアノ伴奏だったし。
それはともかく、彼女が選んだ曲目はハイドンやモーツアルトのアリア。リリコ(叙情的)ソプラノのパトリシアにはこういった曲が合うのでしょう。上のCDには、私の大好きな『魔笛』の夜の女王のアリアを歌っています。彼女はコロラトゥーラも得意で、時々ネタに使って笑わせてくれます。もともと茶目っ気のあるモーツアルトの音楽は、彼女にぴったりなのでは。
印象的だったのは、彼女の燃えるような赤毛でした、本物なのでしょうか。容姿にも恵まれ、コケティッシュな魅力あふれたパトリシアですが、ただのかわいい歌手ではありません。彼女が選ぶ楽曲は個性的です。人気のある曲だけを歌えば、もっと売れるかもしれません。
研究熱心で、いろいろと珍しい曲に挑戦する野心家でもあります。パクリ作曲の『3つのラブ・ソング』という歌曲は今回がアジア初演だそうです。
何回もの投げキッスの後、アンコールで歌ったのがコール・ポーターの『エブリタイム・ウィ・セイ・グッバイ』でした。舞台に腰掛けて本を片手に歌うという演出。「さよならを言うたびに、僕は少し死ぬ」というコール・ポーターの粋な歌詞に、これでみんなと別れるのが悲しいというパトリシアのメッセージだと思いました。私にとっても昔の恋の思い出の曲でした。蛇足でした。