またたびCINEMA〜みたび〜

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伊東四朗一座×熱海五郎一座『日本映画頂上決戦』


今週の水曜日は誕生日だった。誕生日は笑って過ごそうというわけで、伊東四朗三宅裕司の劇団の芝居を見に行った。
笑わせてくれるだろうと思っていたが、予想以上の面白さだった。
三宅裕司の「熱海五郎一座」というのは、もちろん敬愛する伊東四朗をもじったネーミングだ。その昔フランキー堺三木のり平らがやっていた「雲の上団五郎一座」を意識しているのかもしれない。
会場は青山劇場で、(いつもの本多劇場だとチケット争奪戦らしい。私も前回悔しい思いをした)何故かというと、小林幸子の衣装が本多劇場だと入らないから。伊東四朗座長がカーテンコールの後説で、この土曜日が楽日で、この衣装は粗大ゴミになるか、小林幸子が紅白で使ってもらうかになるそうだ。


お話は映画全盛時の映画業界が舞台で、当時スターだけでなく監督やスタッフまでも所属会社に拘束され、他社の作品には出てはいけないという五社協定なるものがあった。まあそれは芝居の枠組みで、芸達者な豪華出演陣が見物。
伊東孝明東貴博の新旧お坊ちゃま対決の前説から(上の動画は父親同士の紅白共演の模様。ふたりともおとなしい。いつも東八郎はもっとはじけていた)、小林旭の「ギターを持った渡り鳥」が流れるなか幕が開く。ちなみにパンフでは伊東四朗が着ぐるみ姿で「ギターを持ったシラケ鳥」とやっているが、本番では出てこない。

笑いどころ満載だったが、一番笑ったのは伊東四朗の巫女姿だ。スクリーンに白塗りの顔を大写しにするという大サービスだ。
小倉久寛の役のモデルはなんと祐次郎というわけで、1M位のシークレットブーツ(もはやシークレットではなく竹馬)でご登場。脱ぐのに手助けが要る有り様。
今回の目玉は小林幸子の歌だが、最年長中村メイコが思いがけなく持ち歌『田舎のバス』を歌ってくれる。なかなか聴けるもんではない。
後半やっと出てくる春風亭昇太は白澤明という二番煎じ監督役で、気にくわないとジタバタ駄々をこねる熱演。本職の高座が偲ばれる。
30代以上のみなさまには、うれしいことにコント赤信号の往年の暴走族コントが見られる。ラサール石井のエロ社長と小宮孝泰のボケ専務の意気の合った掛け合いはさすがである。
劇中劇のミュージカルで歌い踊る劇団員もうまかった。あ、それから、坊ちゃん貴博が東八郎の真似をちょっとだけ披露したが、血筋は争えない?


役者の芸とお約束の連続で斬新なところは皆無だが、往年の喜劇を復活させたいという思いは伝わってくる。浅草芸人がどんどん減っていくなか、伊東四朗にはこれからも頑張って欲しい。その伝統を引継ごうとしている三宅裕司たちも応援していきたい。


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