またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

市川準監督のやさしい目線

先日、59歳の若さで急死した市川準監督は、まずCMディレクターとしてヒット作を次々作り出した後、映画を作り始めた。
禁煙パイポの「私はコレで会社を辞めました」や、「タンスにゴンタンスにゴン、亭主元気で留守がいい」といった、誰もが知っている作品だ。

私が市川準という人を知ったのは、20年程前に『BU・SU』で映画界に進出してからだ。
それから一年に一作品くらいの割合で映画を撮り、いままでに20作品ほど監督している。
残念ながら、私は最初の数作品こそは観ているが、ずっと失礼していた。
『BU・SU』で、市川準という才能に出会いワクワクしたことを思い出した。富田靖子という女優に注目したのも、この作品からだ。『つぐみ』『会社物語』はちゃんと観た。後はあやふやである。
それから私の日本映画氷河期という、ぜんぜん邦画を観ない時期に突入したためもあり、重要な作品を見逃している。

訃報を耳にして、市川作品を観てこなかったことを後悔している。


YOU TUBUで市川準で検索して、最近もCMを作っていたことを知った。
上のキリン・ビールのCMは、恋愛映画そのものだ。
今注目の斉藤和義の歌がバックに流れるアリナミンAのCM「おつかれさまです篇」は、市川の市井の人々に注がれる暖かい視線が感じられる。

映画『会社物語』で、サラリーマンの悲哀を描いていたのと通じる気がした。