またたびCINEMA〜みたび〜

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アンソニー・ミンゲラ監督死去

イングリッシュ・ペイシェント [DVD]

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昨日はふたりのイギリス人の訃報が新聞に載った。
『2001年宇宙への旅』で有名なSF作家アーサー・C・クラークと『イングリシュ・ペイシェント』を撮った映画監督アンソニー・ミンゲラである。
アーサー・C・クラーク氏は、サイエンス・フィクションを確立した立役者のため、各社扱いが大きかった。一方、イギリス人とは思えない名前のアンソニー・ミンゲラ監督(イタリア系)は、特別な寄稿も無しのその他大勢の扱い。
90才だったクラーク氏に比べ、まだ54才のミンゲラ氏の訃報はショックだ。
アカデミー賞を獲った『イングリシュ・ペイシャント』のメロドラマが好きだった。レイフ・ファインズにメロメロになったのもこの作品からだ。オーソドックスな大河ドラマが得意で、ジュード・ロウがお気に入りだったようだ。『リプリー』も悪く無かったが、『コールド・マウンテン』は傑作だ。TV界で長く活躍していたためか、作品数が少ないのが残念だ。映画の遺作『こわれゆく世界の中で』(2007)を見逃してしまっている。
プロデュースにも力をいれていたようで、大好きな『アイリス』(2001)、『ヘブン』(2002)も手掛けている。今年のアカデミー賞をにぎわせた『フィクサー』の制作総指揮に名を連ねている。
映画作家としては、保守的で凡庸だったかもしれないが、往年のハリウッド映画を思わせる作風が好きだった。