昭和を写した写真家、桑原甲子雄氏亡くなる
私は若い頃からレトロなものが好きで、偶然目にした桑原甲子雄(きねおと読む)という人の写真に惹き付けられた。それはよくお店の店頭で売っていた絵はがきで、宣材写真と思われる浜辺のモダンな水着の美女たちや、いがぐり坊主やおかっぱの少女たちを写した昔なつかしい日々のひとこまだった。1930年代の撮影だから、もちろん生まれてもいないのに、何故かなつかしい。このポストカードをキッカケにして、私は、国内外を問わず、町の風景と人々を写したスナップ写真が好きになった。
それからしばらくして、大好きなアラーキーこと荒木経惟が、先輩である桑原さんを敬愛していると知った。たしか二人展を開いたはずである。
桑原さんは昨年の12月、94才で亡くなっていたそうだ。昔欲しかった写真集を買い損ねたことが悔やまれる。今手に入るものは数少ない。土門拳や木村伊兵ほど有名ではないが、機会があったら是非見て欲しい。
- 作者: 桑原甲子雄
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/11/21
- メディア: 大型本
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