またたびCINEMA〜みたび〜

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昭和初期にタイムスリップ? <池田重子コレクション> 日本のおしゃれ展

土曜日の昼下がり、友人に誘われて銀座の松屋百貨店で開催中の池田重子さんの着物コレクションを見て来ました。

その前にエルメスに寄って、「木村伊兵衛のパリ」という写真展を観覧。木村伊兵衛の写真は、パリでも、東京の下町でも変わりません。船遊びやカフェで踊る人々など、50年代パリの普通の人々の日常を切り取っています。
皆さんは、エルメスビル(正しくはメゾンエルメス)の屋上に白馬の騎士が乗っかっているのを知っていますか?銀ブラの折は、ガラスで綺羅めいているビルの前で思いっきりのけぞって屋上を仰ぎ見て下さいね。ちなみに、メゾンエルメスのエレベーターはシンドラー製です。慣れない高級品に囲まれてドキマギしている上に更にスリルを味わうことができますよ! 

歩行者天国の銀座通りを通って、セールで賑わう松屋デパートへ到着。何故か着物姿がチラホラいらっしゃる。展覧会をやっている8Fに足を踏み入れるや否や、舞子さんに遭遇。ここは京都か?と思っていると、着物人口が急激に増加していることに気付き始めました。あまりの混雑に二の足を踏んでいると、着物を召した品の良い御婦人が切符を只でくださるという、有り難い申し出。ラッキーです。
ここで池田重子コレクションについて簡単に説明しておきます。池田さんは、主に大正や昭和初期の着物や和装小物のコレクションの第一人者です。蔵や箪笥の奥に眠っていた着物に光をあてた功績も然ることながら、帯留め、帯、半襟等その着物にあうコーディネートも見事です。着物に対する並々ならぬ愛情が感じられます。
私は十数年前にも池田さんのコレクションを拝見しているのですが、その当時と違うのは会場の熱気です。とにかくお客さんに圧倒されました。汚い格好をしているのは我々少数で、男女を問わず着物姿がやけに多いのです。それもお正月で銀座という土地柄もあるのでしょう、皆さん思いっきり晴れ着なのです。おばさんも力が入っていましたが、男の方は趣向を凝らした着方をなさっていましたね。年齢層も高くて(エッシャー展とはえらい違い)、それも濃い方が多くて、周りの人々の熱気に圧倒されてしまいました。私は丸髷を結った人を、初めて直に見ました。芸者さんでしょうか?薄暗い展覧会場の中で、一瞬昭和初期の時空に迷い込んだかのような錯覚にとらわれたひとときでした。
どうやら着物ブームは本物だったようです。