またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

エルヴィス・コステロが、オーケストラを従えてやってきた!

6/2日国際フォーラムで、エルヴィス・コステロのコンサートを見てきました。本当は2月に昭和女子大人見記念堂(ここはクラシック専門では?)で行う予定だったのが、延び延びになっていたんです。理由はハリケーン・カトリーナで壊滅状態になったニュー・オリンズ救済に、アラン・トゥーサンと共にアルバム制作に入ってしまったからだそうです。
それがそのCDです。制作過程のDVDも付いています。(字幕はありません。)ふたりで作った曲と、アラン・トゥーサンの曲をコステロが歌っているものとありますが、今回のコンサートでは、タイトル曲The River in Reverseコステロがギター一本で歌ったのみ。来日中のアラン・トゥーサンのゲスト出演は期待はずれ。前日のトゥーサンのライブにはコステロが顔を出し、歌いまくったそうですが。

ザ・リヴァー・イン・リヴァース(初回生産限定盤)(DVD付)

今回のコンサートとほぼ同じ様な内容の曲が入っているライブCDはこちら。
マイ・フレイム・バーンズ・ブルー

今回のコンサートは、コステロがイタリアのダンスカンパニーの為に書き下ろした、「真夏の夜の夢」のバレエ組曲IL SOGNO(イル・ソーニョと読むらしい)のオーケストラによる演奏と、オーケストラ・アレンジしたコステロの曲をコステロ自身が歌うという構成に成っていました。
77年にパンク・ムーブメントの中から現れた、ロック界の曲者エルヴィス・コステロは、これまでロックやポップスに飽き足らず、ジャンルの垣根をぶっ壊し、いろんな音楽的冒険をやってきました。弦楽カルテットとアルバム作ったこともありました。何をやってもコステロ節に塗り替えてしまうんですけどね。長年コステロのファンをやって来た人は、今回初めてのオーケストラを従えたコンサートにも、またやってくれたのね、という感じですよね。
それにしても、デヴュー当時のプロモーションビデオを見ているとコステロやせてましたよねえ。あの内股くねくねダンスはもう太り過ぎてできません。
前半はイル・ソーニョを東京フィルハーモニー交響楽団が演奏しました。コステロがオケのスコアを書いたなんてすごいなあ。バレエ無しのバレエ組曲でいまいちよく分かりませんが退屈はしませんでした。(寝たという感想が多い様ですが。)ストラビンスキーとか、ガーシュインとかを混ぜ合わせた様な感じでした。私はオケが好きなので、色んな楽器を見るだけで楽しめます。変わっていたのは、ドラムセットが参加していたことかな。
後半はコステロの曲を、スティーブ・ナイーブのピアノとオーケストラバックにやったんですが、なかなか良かったです。アレンジャーの名前を、いちいち紹介してたのが面白かったのですが、アレンジで一番気に入ったのはビッグ・バンド風のWatching the Detectivesかな。スティーブ・ナイーブは坊主にしていて最初誰?と思いましたが、ピアノを弾けば一目瞭然、天才ぶりを発揮してくれました。彼のピアノ一台で、オケを圧倒する勢いです。オーケストラといっても、サックスやドラム、曲によってはダブルベースも参加しているのでジャズっぽく仕上がってはいます。
コステロの一番のヒット曲She(オリジナルはシャルル・アズナブール。映画『ノッティングヒルの恋人』ではアズナブールのフランス語ヴァージョンが聴けます。)も披露するし、代表曲AlisonVeronicaも歌ってくれました。今回の一番はGod Give Me Strenghバート・バカラックの美しいメロディが心に滲みました。
コステロのメンフィスでのライブDVDが出ています。これはお勧め!
Club Date: Live in Memphis (Dol Dts Dig)