またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

藤田画伯と猫たち <パリを魅了した異邦人・藤田嗣治展>


昨日の土曜日は、友人と日比谷公園でやっていたアフリカンフェスタ2206へ寄ってから、竹橋の国立近代美術館で「生誕120周年藤田嗣治展 パリを魅了した異邦人」を観てきました。

朝ラジオでアフリカ音楽のライブがあるとの情報を得て、3時を大分廻った頃に日比谷公園に到着。思っていた以上の数のアフリカの国がブースを出していて、料理やグッズなどを販売していました。会場には色鮮やかな民族衣装姿のアフリカの人々がいて、目を楽しませてくれました。ライブも大変盛り上がっていて、特に太鼓のパフォーマンスには目を見張りました。
そうこうしているうちに、案の定雷雨に襲われて、木蔭に逃げこんだものの、濡れ鼠状態に..。帝国ホテルで雨宿りをしてから展覧会へ向かいました。
藤田

藤田嗣治の猫の絵は昔から大好きだったので、展覧会に行くことは決めていたものの、最終日前日に滑り込んで観てきました。

藤田嗣治(1886〜1968)の生涯に渡る約100点の作品を公開。東京美術学校時代の自画像から始まり、モディリアーニピカソらとも親交のあったエコール・ド・パリ時代。「美しき乳白色」と讃えられた、真珠の如き肌の女性の裸婦像で一躍パリの人気者になりました。この乳白色は実際本物を見てみると、その素晴らしさが分かります。
戦争が始まると、中南米を経由して日本に帰国。戦争画を描いたため、戦後責任を取らされる形で、失意の中パリへ戻ります。大画面の群像を描いた戦争画は、構図も上手く迫力はあるものの、題材と暗い画調であまり好きにはなれませんでした。
「幽霊が帰って来た」と噂されたものの、フランスへ戻って来た藤田は、死ぬまで日本の土を踏む事はありませんでした。
ポスターの<カフェにて>の絵は、物思いに耽っている女性の白い肌に黒いドレスとバッグが映えて、藤田の戦後パリ時代の傑作となっています。
この時代、寓話に題材を取った絵などで、種々雑多な動物達を藤田は描いています。動物の饗宴といった風の絵は、実に楽しく見飽きる事はありません。
また、藤田は晩年、子供達の訪問を楽しみにしていたそうで、子供の絵も数多く描いています。デコッパチの大きな眼の愛くるしい子供は、藤田の理想の子供像だそうです。
彼は手先が器用で、額縁や小箱や陶器を手作りし、裁縫までこなしました。額縁は絵に合わせたもので、彫刻刀で丹念に細工をしたりしています。
ランスの教会の壁画が、生涯最期の大仕事でした。フランスに帰化し、1959年には洗礼を受けてレオナール・フジタとなった異邦人は、日本の事はどう思っていたのでしょう。

猫の本?藤田嗣治画文集

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neko
お土産のカード16枚入りカードケース。この子は藤田お気に入りの片牙の縞猫。