またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

1124637075**[映画カ-行]ペンギンの行進はどこまでも! 『皇帝ペンギン』  

 暑い日が続いていますが、夏バテしていませんか?
少しでも涼しくなろうと、先日観てきました、「皇帝ペンギン」。

 とにかく印象的なのが、ペンギンの行進。夏は海で過ごし、冬は繁殖のため陸に上がります。営巣地が南極大陸の内陸にあるので、そこにたどり着くのに20日間もひたすら歩き続けるのです。泳ぎは得意でも、歩く姿はお馴染みのよちよち歩きです。時には大きなお腹をソリ代わりにして滑ったり、必ずどこかで転けるペンギンさんがいます。

 繁殖地につくと、お気に入りの相手探しが始まります。何故かメスが多いので、オスを巡ってのバトルが繰り広げられます。短いひれでの殴り合いです。(これはかなり笑えます)カップルが成立すると、愛のダンスをして交尾。卵を一個だけ産むとメスは卵をオスに託し、また海へ戻っていきます。生まれてくるひなのためにえさを補給しにいくのです。
 オスは卵をひたすら温め、メスが戻ってくるのを待ちます。季節は過酷な南極の冬。ブリザードに襲われると、オス達は団子状に固まって、さながら押しくらまんじゅうの様にして寒さをしのぎます。ひなが生まれた頃にやっとメスが帰って来ます。ひなをメスに預け、オスは体力を振り絞ってまた20日かけて海を目指します。えさをたらふく食べて帰ってくると、わが子はそろそろ独り立ちを迎える頃です。
 この皇帝ペンギンの繁殖方法は、過酷でいかにも非合理です。犠牲になる個体も多いし、両親の何れが欠けてもひなは育ちません。
 
 実は動物ドキュメンタリーマニアの私は皇帝ペンギンのこの生態はよく知っていたのですが、やはり大画面で見る白一色の氷の世界、流氷の割れる音、恐ろしいブリザード、何よりペンギンの仕草のかわいらしい事!動物好きやクールダウンしたい人にはお勧めです。

 ちなみにこの映画はフランス製で、おなじくフランス人が作った力作「WATARIDORI」の方が面白いと言う意見が見受けられます。確かに私もそう思いましたが、マイナス40度の極寒での撮影はペンギン同様過酷だったはずです。
 また、去年の大ヒット作「ディープブルー」とも比較されています。こちらはイギリスのBBCの製作で、私はデビッド・アッテンボローが登場して解説しないのが不満でした。(このおじさんはBBCの名物ディレクターで、動物ドキュメンタリーには必ず登場します。)

 ここで、ペンギンに関するトリビアを少々紹介します。 
 南極で一番よく見かけるアデリーペンギンは、フランス人海洋探検家があまりのペンギンの可愛らしさに自分の奥さんの名前を付けてしまった、とのこと。へえ〜。
 氷の上を行進しているペンギンの列の上空をヘリ等の飛行物体が飛ぶと、空を見上げたペンギンが仰向けに転び、連鎖反応でペンギンのドミノ倒し現象がおこる、というもの。これは数年前新聞をにぎわせた記憶がありますが、こちらはガセ。フォークランド紛争当時英空軍の間ではやったジョークだそうです。イギリスはこの話の真偽を確かめるために実際にヘリを飛ばして検証しました。この話が好きだった人には、残念!とのこと。
 
 次回は同じ日に観てきた、「ヒトラー最期の14日間」の感想をお送りします。


WATARIDORI~もうひとつの物語~ コレクターズ・エディション